主張
教育3法成立
教育の機会均等の破壊を許さない

 教育関連3法案が20日、成立した。今後の動向で注目されるのが、「文部科学大臣の定めるところにより」行なうとする学校評価のあり方だろう。教育再生会議が、第三者による学校外部評価・監察導入、その基準としての全国学力テストの結果公表、学校選択制の全面化、予算の傾斜配分などを主張しているからだ。

 再生会議がモデルとしている評価機関は英教育水準局だ。ところで、04年のOECDのPISA(学習到達度評価)で「学力世界一」に踊り出、一躍注目されたフィンランドにも教育評価機関「国家教育委員会」がある。しかし、そのあり方には大きな違いがある。

 フィンランドの国家教育委は学校監察をしない。そもそも国による査察制度廃止を受けて設置された機関なのだ。フィンランドにも学テはあるが、教育の機会均等保障のみを目的とし、サンプル調査であって悉皆(しっかい)調査ではなく、データ公表もない。国教委の評価は予算配分にも影響せず、いわゆる第三者評価的な強い性格を持たない。評価は自己評価が主。義務教育段階で選択制もない。
 対照的に英国の教育水準局は、安倍首相が著書で礼賛したように、学校理事会の機能停止や閉校処分につながる強力な監察を行なう。公表される学テ結果を利用した外部評価を行ない、学校選択制を支えている。

 教育への統制強化と自由化路線という安倍教育改革の「二面性」は、競争主義教育と学校選別という方向性において収れんしている。このことは、英国の教育を見るとよく理解できる。

 4月に強行された全国学テをめぐって起きている事態も、日本が英国の後を追っていることを如実に示した。英国での学校監察は、実は民間企業に委託されているからだ。日本の学テ採点業務も民間委託されているが、実際には「スポット派遣」の労働者を使うという形で事実上、派遣会社に再委託されているため、正誤基準の不統一などの混乱が生じているという。利権化と底辺労働を伴う無責任な民間丸投げという点で、介護保険をめぐる不正、あるいは社保庁のデータ入力作業を見ているようではないか。新自由主義的教育を新自由主義的労働が支えているという具体的現実こそ、教育の機会均等破壊という安倍教育改革の本質をよく表していると言えそうだ。

 再生と称して公教育をゆがめる改悪教育基本法の具体化に対し、監視と抵抗を弱めるわけにはいかない。

社会新報2007年6月27日号より